浮かんでは消えていくもの
ひとの思考は雲のようだ。
浮かんでは消えて、浮かんでは消えて・・。
もう消えているのに、その大きさや形の残像にしがみついて悩み葛藤する。
あの人はこういった・・
あの出来事は許せない・・
ああしていれば・・
こうしていれば・・
すでにあの人も目の前にいない・・言葉も消えている・・
なのに、何回も何回も再生しそこに留まろうとする。
誰の意志で?
気づいてほしい。
自分以外に自分を苦しめるものはいないのだ・・ということに。
消えてなくなったものに執着しているのは誰か?・・ということに。
また新たな雲が現れるように、新たな思考が再び現れる。
気に入るものもあればそうでないものもある。
でも、ただそれは浮かんでは消えるもの。
ただそれだけ。
「思考」=「自分」・・ではない。
漂う思考はどこからともなく現れて、雲のように消えていく。
本当の自分は、それを観察している途方もないほど大きな存在なのだ。